「大島紬は高い」
というイメージがありますが、その理由を知らない方がほとんど。
大島紬には作家物と呼ばれるものがほとんど存在しないため、
ネームバリューやブランドイメージで価値や価格が決まるのではなく、
「技術」= 「価格」
が一般的だと言われています。
図案・締機・染色・織りなど、
それぞれの職人たちの技術を紡いでいくことで1反を完成させる大島紬。
大島紬は「職人の技術への価値」が価格に反映する、日本の伝統工芸品なのです。
そんな大島紬の選び方は様々。
ご自身に合う選び方で、ぜひ大切な1枚に出会ってください。
パーソナルスタイリストとしての経験値を活かし、ファッションの1つとしての「大島紬の着こなし方」をお伝えしています。
「技法」で選ぶ
「手織り」か「機械織り」か
独特の風合いを感じる伝統的な「手織りの本場大島紬」か、
種類の多さや比較的リーズナブルに楽しめる「機械織りの本場大島紬」か。
一般的には、織工(職人)に求められる高い技術と、時間のかかる
手織りの大島紬が高価になりますが、どちらも本場大島紬です。
ご自身のお好みで、選んでいただければと思います。
大島紬でよく聞く「マルキ」
一般的には、5マルキ・7マルキ・9マルキ・12マルキなどがあり、
このマルキの数字が大きいほど、職人にも高い技術が求められるため高価になります。
但し、大島紬の最終的な価値はマルキだけでなく、図案や染色などの工程においての難易度や希少性など、様々な要素が含まれてきます。
大島紬通は「算」も
一般的には、13算・15.5算などがあり、
この算数が大きいほど、職人にも高い技術が求められ高価になります。
但し、大島紬の最終的な価値は算だけでなく、図案や染色などの工程においての難易度や希少性など、様々な要素が含まれてきます。
織物の醍醐味といえば「絣」
絣模様の美しさは、織物の着物ならでは。
- 「一元式(一元絣)」を選ぶか
- 「カタス式」を選ぶか
一般的には、一元式で織る技術のほうが難易度が高いと言われ、現在では織れる職人も少なくなり、一般市場にもなかなか出にくくなっていると入れています。
一方、現在の市場に出ている大島紬はカタス式がほとんどのため、
柄などの種類やバリエーションが豊富です。
「貴重な一元式の大島紬」も「選択肢の多いカタス式の大島紬」もそれぞれに良さがあります。
↓マルキ・算・絣については以下のページにてご案内しております。
「柄」で選ぶ
大島紬には代表的な龍郷柄や秋名バラなどの古典柄だけでなく、
植物などをモチーフにした柄から、洋服のようなモダン柄など、そのバリエーションは多岐に渡ります。
その大島紬の「柄」の選び方をいつくかご紹介いたします。
「柄の好み」で選ぶ
お好きな柄はございますか?
(上記の大島紬はすべて産地の織元さんよりご提供いただいております)
大島紬を身に纏うことは、心の潤い。
着ている自分自身が、ワクワクするような柄に出会えると幸せですね。
「似合う柄」で選ぶ
大島紬に限らず、すべての柄にはその特性があります。
その柄(パターン)の傾向により、似合う大島紬の傾向を見つけることができます。
- 太い線、大きな面は「重」傾向
- 細い線、小さな面は「軽」傾向
- 柄のラインが「曲線的」
- 柄のラインが「直線的」
この4つの傾向をパターンマップにすると、大島紬の柄の傾向を分析することができます。
自分自身の身長や体格や、顔の造りによって「似合う柄」の傾向がわかります。
なお、大島紬に限らず洋服の柄も同様です。
上記のイメージマップに掲載されている大島紬はすべてご紹介できます。ご興味がありましたらお気軽にお問合せくださいませ。
パーソナルパターンのセルフチェック方法は以下の記事にてご紹介しています。
「理想の柄」で選ぶ
あなたが実際、大島紬を着たとき「どのようなイメージ」になりたいですか?
その理想キーワードを表現する柄を取り入れることで、
あなたの大島紬姿は、ご自身の理想像に近づくことができます。
1つだけ注意点があります。
ご自身に似合う柄と、反対側のイメージに位置する柄を着るときは、そのバランスに気を付けてください。あまりに乖離しすぎていると「着させられた感」が出てしまいます。
その場合には、
- 似合う色でカバーする
- 帯や帯締めなどの小物合わせでカバーする
- メイクや髪形でカバーする
などの工夫をしてぜひ「似合わせ」を楽しんでください。
なお、柄から受けるイメージは大島紬に限らず洋服の柄も同様です。
「柄コーディネート」のバランスで選ぶ
お手持ちの帯や小物とのコーディネートバランスで選ぶのもいいかもしれません。
コーディネートのコツは「足し算と引き算」
- 大島紬の柄が印象的な場合は、帯柄を「引き算」でスッキリと
- 大島紬の柄がシンプルな場合は、帯柄を「足し算」で華やかに
また、柄×柄で合わせる場合は、
- 柄の大きさや太さを変える(例:太めの縦縞 × 小さめな格子柄 )
- 柄の濃さを変える(例:具象柄×抽象柄 )
など変化をつけ、お互いに引き立て合うようにコーディネートするとバランスがとれます。
※大島紬と帯
「色」で選ぶ
大島紬には、代表的な「泥染め(泥黒)」や白大島だけでなく、様々な色の大島紬があります。
ぜひ、ご自身の大島紬色を見つけてください。
「色の好み」で選ぶ
染色方法により、
泥大島、白大島、泥藍大島、正藍大島、草木染大島、色大島など様々な種類があります。
また、摺り込み染色という技法により、
絣糸に色を付け織り上げていくことで、大島紬にも様々な色柄があります。
好きな大島紬の色はありましたか?
最初の1枚には、やはり泥大島をおすすめしたい思いはありますが、ぜひ泥大島以外の大島紬の色の魅力も味わっていただけると嬉しく思います。
「似合う色」で選ぶ
大島紬に限らず、すべての色にはその特性があります。
その色の傾向により、あなたに似合う大島紬の傾向を見つけることができます。
- 明るめ・薄め・軽やかな傾向を「明」
- 暗め・濃いめ・深め・重厚感な傾向を「暗」
- 黄みをおびていて、温かみを感じる色の傾向を「黄み」
- 青みをおびていて、クールな印象を感じる色の傾向を「青み」
この4つの傾向をパターンマップにすると、以下のように色の傾向により分けることができます。
自分自身の「顔・瞳・髪」の色や特徴によって「似合う色」の傾向がわかります。
なお、大島紬に限らず洋服の色も同様です。
大島紬は色の幅が限られているため、
以下に大島紬の色の範囲内で色の傾向別に分けました。
なお色の傾向は、
「明⇔暗」「黄み⇔青み」だけでなく、
「抽象的⇔具象的」でも似合う傾向を捉えることができます。
マルキの数字が低くなるほど、大島紬の柄や線は抽象的な印象に、
マルキの数字が高くなるほど、大島紬の柄や線は具象的に印象になります。
なお、柄がくっきりと浮き立つ総絣は、より具象的でメリハリの効いた印象になります。
大島紬に合わせる帯や帯締め、半襟などの小物によっても「似合う色」に寄せることができます。
パーソナルカラーのセルフチェック方法は次の記事にて!
お楽しみに!
「理想の色」で選ぶ
あなたが実際、大島紬を着たとき「どのようなイメージ」になりたいですか?
- 明るくて聡明な雰囲気
- 可憐で優しい雰囲気
- シックで落ち着いた雰囲気
- 凛としてかっこいい雰囲気
その理想を色のイメージに取り入れることで、
あなたの大島紬姿は、さらにご自身の理想像に近づくことができます。
同じ大島紬でも、合わせる帯や小物によって様々な印象を演出することができます。ぜひ大島紬のカラーコディネートも楽しんでみてください。
配色のバランスで選ぶ
大島紬も、合わせる帯や小物によって様々な印象を演出することができます。
ぜひ、大島紬の配色(カラーコーディネート)も楽しんでみてください。
例)大島紬カラーコーディネート・サンプル
そのほか、
「どのような場面で着るための大島紬なのか」など、大島紬の選び方は多岐にわたりますが、大島紬はフォーマルな場所以外にはほとんどのシーンで着て楽しめるお着物。
和装には、もちろんルールもありますが、まずは「実際に着ること」
ご自身の心も潤い、自然の所作にも美しさが溢れます。
そして、その姿を見た周囲の方々の心にも少し幸せをお届けできるかもしれません。
それこそが、最高のマナー(愛)だと私は思います。
素敵な「大島紬ライフ」をお過ごしください。
コメント