着物の楽しみは色々ありますが、工夫の余地がいろいろあること、自分で遊び心を盛り込めることがそのひとつだと思います。
大島紬を楽しみたいけど、1枚しか持っていない。そんな時にアレンジで楽しむ方法のひとつとして、帯と帯留で物語をつづるのはどうでしょう?
私が好きなコーデ「物語コーデ」です。
例えば六角形の図案は、おなじみの亀甲柄。カメの甲羅のモチーフですね。なので、亀甲の帯にウサギの帯留をつければ「うさぎとかめ」!
実はこの帯留、ウサギだと思って買ったら実はキツネだったんですが、私の中ではウサギです。太い尻尾は見なかったことにしています(笑)
ウサギのモチーフがまたおもしろくて、着物に限らず日本画など、日本文化の中で、ウサギ=月を表すという約束事があります。よくある和柄図案で波にはねるウサギを見かけたりしませんか?海にウサギがいるはずがないのにどうしてだろうと不思議でした。でも、あれは、波に月の光がキラキラ反射する様子を表しているのだと聞いたときに、「そういうことか!」と目からウロコ!
日本画の中にウサギが描いてあれば、そこに描かれてなくても、空には月が出ている暗黙の了解があるのだそうです。
つまり、ウサギのモチーフがひとつあれば、それだけで月を表すことができるんですね。
奄美ならやっぱりアマミノクロウサギ。こちらは夫に作ってもらった陶器のクロウサギです。たくさんの機会でつけたいと思います。
月の模様に何を見るかは国によって違うようですが、アジア圏では結構メジャーなようですね。
一方太陽の象徴はカラスといわれますが、あまり好まれるデザインではないせいかウサギほど見かけません。上の帯だったらカラスの帯留も合いそうです♪
同じように月の象徴にウサギを見ているミャンマーは、太陽の象徴は孔雀だそうですよ。あの鮮やかさが南国の太陽のイメージとかぶるんでしょうね。この辺りも民族性が出ておもしろいなあと思います。孔雀の帯留なんてあったら素敵ですね。
他にもタケノコ帯留をオレンジ色の帯につけて「かぐや姫」とか、
魚の帯留を流水紋の帯につけて泳がせるなど、そこからお話が広がりそうな組み合わせが好きです。
ちなみに上の2つは帯留の金具ではなく、ブローチです。帯締めにブローチをつけて使っています。タケノコは鹿児島の社会福祉施設、しょうぶ学園のもの、魚は大島紬アンバサダーでもいらっしゃるatelier limaさんのブローチです。
ちょっとしたことで、誰にも気づかれなかったりしますが、やっぱり物語コーデは楽しいです。
普段着物の楽しみにいかがですか?